《健康長寿の要となる“腸”》腸内環境を整え理想的な便を出すための“3つの力”

2026年08月29日 13:57

近年の研究で注目されているのが、健康長寿と腸の関連だ。
「腸は“セカンド・ブレイン(第二の脳)”と呼ばれています」

「腸は人体における最大の免疫臓器であり、腸の具合が悪くなると免疫系の働きが弱まって病原体を原因とする病気にかかりやすくなります。

また、腸内には多くの神経細胞が集合し、“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンなどさまざまなホルモンを分泌します。

がんや認知症の発症、脳機能の低下とも関連する腸は、健康長寿にとって最重要臓器のひとつです」

長寿地域に住む人の大便に、善玉菌として知られるビフィズス菌と酪酸産生菌が大量に含まれることを発見され、それらを「腸活菌」と総称し、その役割と作用が注目されている。

「腸活菌は日本人なら誰でも持っている腸内細菌といわれます。しかし、残念なことに、ほとんどの人が腸内で機能させることができず眠らせたまま。

腸内環境を整えてこれらの菌を活性化させることが、健康長寿の延伸ために必要です」

「腸内環境は年齢とともに変化します。しかし、元気で長生きしている人たちの腸内には年齢や生活環境に適応した自分に合った菌が育っています。酪酸産生菌もほかのさまざまな菌を用いて酪酸を作るため効果を発揮するのです。

大切なのは、特定の菌が多いことではなく、多様な菌が共存し“クロスフィーディング”を叶える、腸内エコシステムが維持されていること。

バランスのとれた腸内環境を育てられるかどうかが、健康長寿を左右する大きなポイントです」

だが、脳内と同様に腸の状態も日常的に見ることが難しい。
そこでバロメーターとなるのが腸を通って出てくる大便だ。

「大便の80%は水分で、残りの20%の3分の1が食べ物カス、3分の2が生きた腸内細菌と腸からはがれた粘膜です。

腸内細菌を整えることはいい排便をすることとイコールで、においがきつくなく、いきまずストーンと出るバナナ型の便は腸活菌が優位で健康を表しています」

注意したいのが便秘や下痢だ。特に女性に多い便秘は不健康のもとになる。

「便秘は死亡率の上昇、認知症の進行、腎臓機能の悪化などとの相関関係が指摘されます」

「軽視されがちですが、便秘は病気です。医学上、3日以上便が出ないと便秘と定義される。健康を維持するためには解消することが不可欠です」

では腸内環境を整え、健康な便を出すにはどうすべきか。

「まず必要なのは食事により便を“作る力”で、腸活菌を増やす野菜や海藻を中心とした食生活が求められます。

2つめは腸内細菌の助けを借りて大便を“育てる力”で、ヨーグルトや乳酸菌飲料に加えて発酵食品を意識して摂りましょう。

3つめは便を“出す力”で、運動をしてインナーマッスルを鍛えることが欠かせません。朝起きたら朝食をとり、必ず排便するという生活パターンをつくることも心がけましょう」

「規則正しい生活をして充分な睡眠をとることが基本です。地球の自転による24時間と体内時計の24時間にはズレがあるので、毎朝太陽の光を浴びて体内時計をリセットすることも腸内細菌を育てます。過度の飲酒や偏食、運動不足にも注意しましょう」

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