高血圧と食事の関係について考えるとき、多くの人がまず思い浮かべるのが「塩分の摂り過ぎ」ではないでしょうか。
しかし、塩分を控えるように気をつけていても、なかなか成果が出ないと悩んでいる方も少なくありません。
実は、血圧対策においては「何を食べるか」という食事の内容だけでなく、「どう食べるか」という食事の環境や習慣も見落とせない重要なポイントです。
「実際に、塩分を多く含む食事を継続的に摂り続けることは、血圧を上げる大きな要因になります。
一方で、『何を食べるか』だけでなく、『どう食べるか』という点も、血圧を考えるうえで見落とせないポイントです。
食べるスピードや食事をする環境そのものが、塩分の吸収を増やしたり、血圧を直接上げたりするわけではありません。
しかし、こうした『食べ方の癖』は、食事全体の摂取量や塩分摂取量、体重増加などに影響し、結果として血圧に間接的な影響を及ぼすことがあります。
たとえば、時間に追われて食事をしたり、テレビやスマートフォンを見ながら食べたりすると、食事に意識が向きにくくなり、食べる量をコントロールしにくくなることがあります。
また、食事を急いで済ませる習慣があると、料理の味や量を確認することなく食べてしまい、塩分やエネルギーの摂り過ぎにつながる場合もあります。
「『早食い』『麺類の汁を飲み干す』『醤油などの調味料をたっぷりかける』という食べ方は、いずれも高血圧につながる可能性があるため、どれか1つでも当てはまる方は、注意していただきたい習慣です。
ただし、それぞれ血圧に影響する仕組みは少し異なります。
まず早食いは、それ自体が直接血圧を上げるわけではありませんが、満腹感を得る前に食べ過ぎてしまいやすく、長期的にはカロリーオーバーから体重増加につながる可能性があります。
体重の増加は高血圧のリスクを高めるため、時間に余裕を持って、よく噛んで食べることが大切です。
一方、麺類の汁を飲み干すことや、醤油をたっぷりかけることは、塩分を直接多く摂ることにつながります。
塩分の摂り過ぎは体内に水分をため込み、血液量を増やすことで血圧を上げる要因になります。
麺類を食べるときは汁を残す、醤油などの調味料は料理に直接たっぷりかけるのではなく、少量をつけて食べるなど、使い方を変えるだけでも減塩につながります。
どれも特別なことではなく、日常の中で無意識に繰り返している『食べ方の癖』だからこそ、まずは自分に当てはまるものがないか振り返ってみることが大切です。」
醤油やソースなどを何となく習慣でかけている人は意外と多いものです。
まず一口そのまま食べ、味が足りなければ少量だけ加えましょう。
料理全体に直接かけるのではなく、小皿に出して『つけて食べる』のもおすすめです。
また、麺類を食べる機会が多い方は、『汁は全部飲まない』というルールを一つ決めるだけでもよいでしょう。
高血圧対策というと、『薄味にしなければ』『好きなものを我慢しなければ』と考えがちですが、我慢しすぎる必要はありません。
最初から完璧を目指さず、無意識に行っている食べ方の癖に気づき、できることから一つずつ変えていくことが大切です。
まずは今日の食事から、『かける前に味をみる』『汁を残す』『ゆっくり食べる』など、自分が続けやすい一つを選んでみてください。
それが、減塩と血圧管理のための最初の一歩になります。」