ここ10年ほどの間に、不妊症に悩む女性や男性がずいぶん増えてきたと感じます。
地球環境の悪化、空気・水・土の汚染、農薬や添加物などの化学物質、ファーストフードの増加、冷房の普及、年間を通しての冷飲食物の摂取などにより、生物としての生命力が急激に低下しているように思われます。
ホルモン剤の服用や人工授精、体外受精といった技術に頼る前に、まずは 根本から体を変えること から始めてみませんか?
日本人には、昔ながらの日本の食事が最も合っています。
ファーストフードや肉類・油物・乳製品・白砂糖は控え、玄米・黒ごま・根菜類・豆類・海藻類・梅干・味噌汁 などを中心に、よく噛んで食べましょう。
このようなシンプルな食事が、体の生命力を取り戻してくれます。
栄養過多は、かえって不妊症や乳がん、子宮がんなどの体質を作る原因にもなります。
夏に冷房で体を冷やし、冷たい物を多く摂ると、体は外からも内からも冷えてしまいます。
その冷えが毎年積み重なることで、代謝が落ち、生命力が低下し、不妊症や生理痛、生理不順の原因にもなります。
夏でも冷たい飲食物は控え、体を冷やさないよう心掛けましょう。
麦茶、ジュース、アイスクリーム、果物、生野菜、甘いお菓子、ケーキ、プリン、ゼリー、ヨーグルトなども体を冷やすため、摂りすぎに注意が必要です。
シャワーではなく、お風呂で温まろう
シャワーは表面だけを温めるため、毛穴が開いて体の熱が逃げ、かえって冷えてしまいます。
湯船にゆっくり浸かって、体の芯の冷えを取りましょう。
夏も冷房による冷えを取るために、1日の終わりにはゆっくり入浴を。カラスの行水ではいけません。
冬は湯冷めしないうちに布団に入りましょう。
また、朝のシャンプーは体を冷やすため禁物。生理中のシャンプーも子宮を冷やす原因になります。
漢方では「腎は生命力の源」と考えます。腎が休まるのは夜12時前後です。
この時間には熟睡していることが大切。腎をしっかり休ませることが、妊娠・出産にとても重要です。
理想は午後10時就寝・午前5時起床。難しい場合も、せめて夜12時前には眠るように心掛けましょう。
1日30分以上、歩こう
歩くことは基本です。ほんのり汗ばむ程度の運動は、気血の巡りを良くし、体全体を活性化します。
ヨーガなどのゆっくりした運動も経絡を刺激し、気血の流れを促進します。
ただし、やり過ぎは逆効果。無理な運動で腎気(生命力)を損なうと、不妊症を悪化させる場合もあります。
毎日少しずつ、無理なく続けることが大切です。
妊娠・出産は本来、とても自然なことです。
体が整えば自然に妊娠し、出産も順調に進みます。
「切迫流産で何ヶ月も安静」「帝王切開でなければ危険」といった状況は、本来の自然の姿から外れたもの。
生命の原点とも言える妊娠・出産を、できるだけ自然な形で迎えるために、しっかりとした体づくり が欠かせません。
不妊症で相談に来られる方は、みなさん焦っておられます。
しかし、体が整うには時間がかかります。
新しい命を授かるという大事業には、腰を据えて、じっくりと心と体を整える時間 が必要です。
漢方薬は、女性が自然に妊娠できるように、血を補い、血流を改善し、体を温め、ホルモンのバランスを整える働きをします。
体が整い、子宮が健康になれば、受精卵の着床が改善し、安全な「胎児の寝床」ができあがります。
また、漢方薬は男性の精子数や運動率の向上にも効果があります。
アトピー性皮膚炎は治ったけれど、不妊症?!
最近、「アトピーは治ったけれど不妊症」という相談が増えています。
しかし「治ったように見えるだけ」で、実は体が冷えて排出力を失っているケースが多いのです。
不妊症治療のために体を温める漢方薬を服用すると、アトピー症状が一時的に再発することがあります。
これは体が温まり、自己治癒力が再び働き始めた証拠 です。
漢方では、アトピーも不妊症も「全体のバランスの乱れ」として捉えます。
冷え性やアトピーを改善し、体を整えて妊娠すれば、赤ちゃんも健康でアレルギーのない体質 に育ちます。
一時的な症状の悪化を恐れず、しっかり治して「きれいな体」で出産を迎えましょう。
不妊症の漢方相談は、できるだけご夫婦で受けてください。
漢方服用だけでなく、食事や生活習慣の改善も家庭全体で取り組むことが大切です。
夫婦で協力しながら、体づくりを進めていきましょう。