まずは筋トレ。これは無理にやる必要はありません。「足の筋肉が落ちたから転ぶんじゃないの?」と思ったでしょうか? でも、転ばないために必要な基本的な筋肉は、家事や日常生活だけで十分保たれるんです。 洗濯物では腕や背中、掃除機をかければ太ももの筋肉や腹筋、背筋が。買い物に行けば足の裏やふくらはぎが。毎日の生活で、必要な筋肉が自然と鍛えられています。
もちろん、極端に動かない生活をしていれば別ですが、多くの方は「まったく使っていない」わけではありません。そして何より大切なのは、足が上がらなくなる原因は、筋肉の衰えではないということです。
ウォーキングはどうでしょうか? 「転ばないために毎日歩いています」「お医者さんにも、もっと歩きなさいと言われていて……」という方も多いでしょう。歩くこと自体は、すごくいいことで、健康効果は、たくさんの研究で証明されています。でも、転ばないために必要な「ある部位」は鍛えられません。 そして残念ながら、逆効果になることもあります。それが、5ミリの壁体操をしないで歩くこと。これは正直、自分から転びにいっているようなものです。元も子もない話ですが……、
人は歩けば歩くほど、転ぶ確率が上がります。
5ミリの壁につまずく原因は、筋肉ではありません。関節が硬くなっていること。これが本当の原因です。足が上がらないのは、力がないからではなく、“動ける幅が小さくなっているから”です。
関節の硬い体は、車で言えばサイドブレーキがかかったまま走っているようなものです。アクセル(筋肉)を踏んでいるのに、ブレーキ(関節のこわばり)がかかっている。いくら筋肉があっても、体にストッパーがあるから足が上がらない。踏ん張れない。だから、転んでしまうのです。 しかも、関節のこわばりはゆっくり、ゆっくり進みます。だから、慣れてしまう。「歳だから」で済ませてしまう。気づいたときには、カチカチになっています。5ミリの壁体操は、この“動きの余白”を取り戻す体操です。
関節がゆるむ → 動かしやすくなる → 足が自然と上がる → 5ミリの壁につまずかない とてもシンプルな仕組みです。また、関節が動くようになると、体を大きく使えるようになります。すると、筋トレをしなくても、勝手に筋肉がつき始めます。
関節が硬い → 動きが小さい → 使われない筋肉が増える → 弱っていく この流れが、 関節がゆるむ → 動きが広がる → 筋肉が使われる → 勝手に筋肉がつく に変わります。
先ほどお話した、「筋肉は家事や日常生活だけで十分保たれる」という効果が、最大限に発揮される状態です。関節は、ウォーキングでも、筋トレでも、ラジオ体操でも整えることができない部分。だからこそ、5ミリの壁体操だけが、根本的に転倒を防げる方法なんです。