腎臓病には、急性腎臓病と慢性腎臓病があります。
熱中症による脱水、尿路結石、細菌やウイルス感染など、特殊な原因によって急激に症状が進む急性腎臓病は、その原因を取り除けば治癒が見込めるので、さほど重要な課題ではありません。
問題は、早期にはまったく症状がないため発見が難しく、気づいたときには多くの人が手遅れになってしまう慢性腎臓病です。
「手遅れ」とは、透析に入るしか手立てがなく、その後、5年ほどの余命に陥ってしまうことです。
慢性腎臓病にはもともと、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎など、原因によっていろいろな病名がつけられ、進行した状態は慢性腎不全と呼ばれていました。
しかし、近年では、腎障害の存在と糸球体濾(ろ)過量(GFR=Glomerular Filtration Rate)というものに基づき、慢性腎臓病(CKD=Chronic Kidney Disease)として包括的に捉えるようになりました。
腎臓病があると、心筋梗塞、脳卒中、がんなどあらゆる病気に罹りやすく、その進行も速めることがわかっています。
すなわち、腎臓病の末期症状である腎不全になる前に、ほかの病気で命を落としている可能性が高いのです。